ファイルNo1 ひゃあ〜!
それは、
部室の入り口で起こった。
理科準備室の一部が写真部の部室である。
当然、先生方の出入りもあり、
薬品などの保管も必要なので、
ドアには当然鍵がかかるようになっていた。
3年生のN村が
2年生のM田を
おちょくっていた。
M田が廊下に出ている間に、
ドアに鍵をかけ、
部室に入れなくしたのである。
ドアの前で困った顔をして立っているM田。
そこに私がやってきて、
理科準備室に入ろうとした。
M田は私に先に入れるよう、譲ってくれた。
N村は様子を見るために、
ドアを開けた。
途方にくれているM田の姿が見えると思って開けたのだろうが、
N村の予想に反して、
私が立っていた。
「ひゃあ〜」
そのままN村はヘナヘナとその場に座り込み、
力なくヘラヘラと笑っていた。
あまりにも間の抜けた声に
M田も
大笑いしていた。