急行「きたぐに」は大阪に定刻の到着。
結局、坂口君と村田君は朝まで話していた。私も京都までOLといろいろ話していた。
つまり…
寝てない!
和歌山の高校生は午後から用事があるらしいが大丈夫だろうか。
大阪からは普通列車を乗り継いでひたすら九州をめざす。
西村君以外は車内で熟睡。
村田君は姫路行の新快速車内で、つり革にぶら下がった状態、つまり立ったまま眠るという器用な寝方をして、みんなを驚かせた。
坂口君は死んだように眠っていて、車掌が検札で起こしても、反応がなかった。
「寝てるんかいな」
それとも…と続きそうな口調だった。
「センセ〜。来年の総合文化祭の会場は北海道ですよね」
「そうだよ」
下関行の車内で村田君が話しかけてきた。
「来年も列車で行きたいですね」
「……」
あと2時間で旅が終わる。
(終)
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