講評会

 8月6日、日曜日。

 今日もいい天気。具合の悪い坂口君をホテルに残し、安いモーニングセットを求めて町をさまよう。そしてあるホテルのレストランで朝食。西村君がコーヒーのミルクを自分のアイスミルクにドボドボ〜と入れて、うまそうに飲んでいた。

 ホテルに戻って身支度を済ませ、会場へ。

 旅に出ると、どうものんびりしてしまう。普段があわただしいから、ちょっと日常から離れて…という考えが災いしてか、会場に着いた時には、もう講評会は始まっていた。

白山公園

 昼食の後、午後の顧問会議、交流会の時間まで近くの白山公園で過ごす。

 西村君がアイスクリームを4つ持ってきた。全部一人で食べるのか?

「これはボクのおごりです」

 物思いにふけっているポーズの銅像があったので記念撮影。4人で銅像と同じポーズをした。

顧問会議

 全国の高校学校写真部の顧問が集まっての顧問会議。同時に生徒達は交流会。

 顧問会議で交通費のことを話すと、

「福岡県にはとんでもない高校がある」

 と評判になってしまった。

懇親会

 時間まで、生徒と土産をさがし、懇親会の会場へ。

 飲んでいるところの話は省略。トイレで、

「本当に交通費出してもらえなかったんですか?」

 と聞いてきたのはH福岡高校のK南先生(名前が分かったのはだいぶ後のことである)だった。

 打ち解けたところで、福岡県から来た先生方と雑談。

「いやぁ、こんな所で鉄道好きに会うとは」

 と言っていたY川高校の先生も鉄道が好きだとかで、また鉄の話に花が咲く。

 宴は終わり、広島K実高校のK林先生と、山口県O野田工業高校のI津先生と2次会をする。お金が無いので信濃川の河原で缶ビールを…ということになる。

 近くのコンビニで缶ビールを買う。新潟県限定の「じょんのび」である。

「『じょんのび』はどういう意味なんですか?」

 K林先生がレジの女の子に聞いていた。

「わかりません」

 新潟の人にも難解な言葉のようである。

 おもむろに鞄からカメラを取り出して撮影。さすが写真部の顧問。女の子はものおじせず、ポーズを決めていた。

 河原に腰掛けて、写真や授業の話で盛りあがる。

 フィルム現像はステンレスタンクの方が現像液を節約できる、などと教えてもらった。

 信濃川の豊かな水が、ゆっくりと流れていった。

予定は未定であり…

 8月7日、月曜日。

 全国高等学校総合文化祭の写真関係の行事は昨日で終わっている。これからは純粋な旅である。

 新潟駅で、磐越西線が不通になっていることを知る。予定の列車は馬下行になっていた。不通になっている馬下〜喜多方間は代行バスが走っているものの、ダイヤがはっきりしていないらしい。それ以上に駅員の対応もしっかりしていなかった。今日中に仙台まで行けるのだろうか?

「所要時間の分からないコースを取るのと、時間はかかるが日本海を北上するコース、どっちがいい?」

「バクチはいやだ」

 日本海沿いに進むことにする。改札口のそばで、時刻表を開く。

 米坂線経由で行けるはず…。快速「べにばな」がある。

 只今の時刻、815分。

 「べにばな」の時刻は811分。

 …ちょうど発車したところだった。

 残るコースは陸羽西線。なんとか仙台には行けそうだ。しかも日本海の美しい海岸線を楽しめる。喜多方のラーメン、おいしい地酒の未練も残るが。

日本海をいく

 白新線の電車に乗る。撮影会のあった豊栄を通り過ぎる。

 新発田で旅行貯金をしようと思ったが、時間までに郵便局を見つけることが出来なかった。ただの散歩になる。

 村上で酒田行に乗り換える。乗客は海水浴客と思われる高校生の女の子達。車内で水着を見せあっていた。

 列車は「笹川流れ」を走る。海岸沿いに奇岩が連続する車窓の名所である。

 生徒達は見とれることもなく、しっかりと部活動(撮影)していた。

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